中小企業海外展開支援講座

第5期 (2024~2025)日程

講義日程、講義科目、担当講師は予告なく変更する場合場あります。


第1回  2024年 7月7日(日)  対面+Zoom 

① 10:00~10:45 (45分)  開講式・自己紹介                      担当:三上 彰久

 オリエンテーション、講座趣旨説明、メーリングリストや講座資料のダウンロード方法等の説明に引き続き、受講生に自己紹介を行っていただく。

  10:50~11:50 (60分)  基本知識・国際政治経済         担当:大喜多 富美郎

 海外展開支援を行う際には、支援先企業が海外展開によって何を目指していくのかを明確にすることが必要である。その目的の達成に向けては、激しく動いている現在の国際政治・経済環境の中で、わが国や進出先の国・地域のおかれている状況を、俯瞰的に捉える姿勢が求められる。ここでは、海外展開支援を行う上で、どのような視点をもつべきか直近の国際情勢も踏まえて確認し、情報収集の取り組み方について検討する。

 ③ 12:45~13:55 (70分) 異文化理解                                        担当:池田 真一郎 

 海外でのビジネス展開にあたっては、まず、異文化を理解することが必要不可欠である。日本と外国とでは、歴史や言語、宗教や人種・民族等が異なるため、その文化や考え方が違うのが当たり前。その違いをはっきりと認識し、コミュニケーションを上手に活用しながら相互理解を深め、双方が信頼に基づいてビジネスを行うことが重要となる。異文化理解について、海外での経験や失敗事例等を交えて、その基本をわかりやすく解説する。

 ④ 14:05~15:05 (60分) 国際派診断士                    担当:永吉 和雄

 ビジネス支援を進めていくには課題を解決していくスキルに加え、協力者を確保していく豊富なネットワークを有していることが重要である。国際ビジネス、特に、海外展開支援では、多くの専門家との連携が必要になる。中小企業診断士の間で進んでいるネットワーク構築の試みについて紹介し、受講者の方々にも協力をお願いしたい。

 ⑤ 15:15~16:45 (90分) 海外マーケティング       担当:鈴木 祥子

   デジタルや物流といったテクノロジーの進化によって、だれもがより簡単にグローバルにつながる時代。もはや、企業の大小を問わず、グローバルという視点でビジネスを考え、企業活動を進めていく必要がある。本講座では、BtoCという分野に特化し、国境を越えるビジネスを成功させるために、どのようなマーケティング戦略をたてたらいいかについて説明する。具体的には、企業が海外にマーケティングを実現していく上で、どのように異なる環境に対応したらいいのか、どのように本国と海外のマーケティングを連動させたらいいかという、グローバルマーケティングの基本を、事例を使って説明していく。 

⑥ オンデマンド(事前録画)講義   貿易実務 (基礎編)          担当:木村 篤

(1) 乙波から輸出契約 

 経理において「簿記」が重要なのと同様、海外展開においては「貿易実務」の理解が重要となる。企業の海外直接投資・海外生産が盛んになっても、日本からモノを出す輸出が無くなるわけではない。そして、これから海外との取引を始める企業が最初に行うのが、輸出業務。講義ではコンテナ船、在来船、エアカーゴの種別、オファー・カウンタオファーを説明し、売買契約締結までの流れを説明する。

(2) 船積と代金回収

 上記に引き続き、L/Cを接受してアメンド、為替予約、海上運賃計算、航空運賃計算、フォワーダーへの船積依頼、海上保険付保、B/L揚げ、L/Cネゴ、ディスクレ、入金という一連の流れについて、講師の経験を交えて説明する 

⑦  メーリングリストにて連絡     ワークショップ事前課題    PEST分析

  事前課題としてPEST分析について出題、第2回(8/4)のワークショップで発表していただく。


第2回   8月4日(日) Zoomのみ

 12:30~14:00 (90分) 支援対象企業の分析と事前準備   担当:山本 美紀

 架空の事例会社海外展開をする為の第1次事業計画(ビジネスモデル)を作成するための準備として、何をするべきかについて説明、支援者として効果的なアドバイスの方法を共有する。また、進出候補国やターゲット市場が決まったら、その国や市場の情報をどんなルートから収集し、どのように分析するかについて、説明する。

 ② 14:10~15:40 (90分) ビジネスモデルの具体化              担当:深澤 賢

 架空の支援先企業のSWOTとPEST分析を踏まえて、ビジネスの実現性をクロスSWOT分析で深掘りし、取るべき戦略を決定する。次に分析結果と支援先企業の思いを用いて「ビジネスモデル(案)」を具体化し、「第一次事業計画」の作成をおこなう。講義では、その内容と作成方法を学び、実際に事業として成り立つかを検討していく。

③ 15:50~17:00 (70分) ワークショップ 事前課題としていたPEST分析発表

④ 17:05~17:30 (25分) フィードバック 質疑応答や講義の補足説明を行う

⑤ オンデマンド(事前録画)講義   海外営業                担当:ワールドビジネス研究会 海外営業分科会

 海外で自社製品を販売したいと思う中小企業が、どのようにして現地ビジネスの可能性を探り、販路をどのように構築していくのか、その過程でどのような問題が起こり得るのかについて、理解を深めて頂く。具体的にはB to Bの観点から、展示会の活用、現地代理店などの見つけ方・付き合い方、別れ方などについて、明確なイメージを持ち、その過程で注意すべき点などを解説する。 

⑥ メーリングリストにて連絡     ワークショップ事前課題 SWOT、クロスSWOT

事前課題としてSWOT分析・クロスSWOTについて出題、第3回 (9/8)のワークショップで発表していただく。


第3回 9月8日(日) Zoomのみ

 12:30~14:00 (90分) 中小企業の人事管理        担当:池田 真一郎、向井 実

 海外進出における日本との人事制度・考え方の違いと、採用から教育・育成、評価と報酬、解雇までの手続きやコミュニケーションのコツ・留意点を、米国とアジアのそれぞれについて実践的に解説する。

② 14:10~15:40 (90分) 貿易実務 (応用編)         担当:木村 篤

   オンデマンド講義で説明した貿易実務の基礎的な知識を前提に、補充講義を行う。

③ 15:50~17:00 (70分) ワークショップ                                 事前課題となっていたSWOT分析・クロスSWOTを発表

④ 17:05~17:30 (25分) フィードバック         質疑応答や講義の補足説明を行う

⑤ オンデマンド(事前録画)講義   食品輸出            担当:ワールドビジネス研究会 海外営業分科会

   日本政府が進める「輸出拡大実行戦略」の流れを受け、中小規模の食品メーカー及び商社にとって、輸出に挑戦するまたとない絶好の機会が到来している。しかし、食品輸出においては、思わぬ落とし穴もたくさん存在する。この講義では、仕向地での輸入手続き、規制、ラベル表示、FMCGの現地商流などを中心に、輸出相談で良く問い合わせのある項目を中心に解説する。 

⑥ メーリングリストにて連絡     ワークショップ事前課題  ビジネスモデル

  事前課題として架空の与件企業のケーススタディを提示します。そのビジネスモデルの分析を行っていただき、10/6の講義で発表していただく。


第4回  10月6日(日)  Zoomのみ

 12:30~14:00 (90分)  リスクマネジメント                       講師:山本 倫寛 

  国内・海外を問わず、事業を展開していくことには当然リスクがともなう。海外展開をする場合は、ビジネスそのものに係るリスク以外にも国内では想定しにくいものも多くあり、それらのリスクについても認識しておくことが必要である。受講生がリスクについて認識し、整理し、可能な対応策の準備を支援できるように、多数の体験事例も紹介しながら2回にわたってリスクマネジメントについて講義を行う。第1回目は、リスクを俯瞰し、そのマネジメントについて理解すること、および『経営リスク』について、事例を紹介しながらその対策について検討・検証する。海外展開時に直面する経営リスクは、多岐にわたる。展開を検討する段階から進出準備、そして海外での事業を行う上でのリスクを網羅的に取り上げる。

② 14:10~15:40 (90分) リスクマネジメント事例                 担当:酒向 敦

 世界の環境はより不安定度を増している。このような環境の中で、日本経済および日本企業は好むと好まざるにかかわらず、世界のより多くの国々とさらに多くの関係を構築していくことになる。第2回目では、マクロ環境リスクを中心に、発生した事例とその対応を、主として実体験をベースに共有し、分析する。また、すべてのリスクが事前に予測できるものではないとの前提で、リスク対策保険や、準備しておくべき社内体制、常時心がけておくべき情報源の確保等、リスク対策のまとめを行う。

③ 15:50~17:00 (70分) ワークショップ         

  事前課題として提示された架空の与件企業について、ビジネスモデルの分析を発表していだだく。   

④ 17:05~17:30 (25分) フィードバック

  質疑応答や講義の補足説明を行う。

⑤ オンデマンド(事前録画)講義   資金計画・税務              担当:河合 裕

 資金計画と税務を一コマで勉強する。資金については、資金使途、資金調達ソース(親会社、外部借入)、資金調達形態(資本出資、借入金、リース、仕入先金融、貿易金融)などに分け、主要な考え方を理解していただく。税務については、移転価格税制、源泉所得税など海外税務共通の注意点、昨今の越境ビジネスにおける税制ポイント、主要国の主な税制、など中小企業が気をつけるべき点を主に解説する。 

⑥ メーリングリストにて連絡     ワークショップ事前課題    資金計画

  事前課題として資金計画のケーススタディを提示。12/8の講義で発表していただく。


第5回  11月10日(日) 対面+Zoom

  10:30~12:00 (90分)  エシカル経営         担当:藤原 彩香

 今後の海外展開で必要な視点「エシカル」。

「エシカル」について知らないという方もいらっしゃるでしょう。エシカルという視点で経営を見つめなおすと、これから進むべき道へのヒントを得ることができる。先が見えづらく不確実性の高い今の時代に、経営の道しるべとなり、海外展開においても益々重要になりつつあるのがエシカルという視点。この講義ではエシカルとはどのような視点なのか、なぜ今世界でそれが求められているのかを説明し、中小企業での取り組み事例なども交えながら、エシカルを経営に統合する方法とその効果を紹介。

②  13:00~14:30 (90分) 観光インバウンド      担当:新堀 毅

  TBC

③  14:40~16:10 (90分) ECを活用した輸出      担当:ワールドビジネス研究会 越境EC_オンライン支援研究分科会

 2019年に7800億USドルだった世界の越境EC市場は、2026年には4兆8200億ドルまで成長すると言われている。売り手にとっての越境ECの魅力は、中小企業事業者や個人事業主でも、日本にいながらにして海外の消費者と直接的な接点を持てることであろう。この講義では越境ECの事例を使いながら、D2Cマーケティングのポイントと、ボトルネックになりやすい物流とコスティングの留意点について紹介する。

④  16:20~16:50 (30分)  フィードバック 質疑応答や講義の補足説明を行う。

⑤ オンデマンド(事前録画)講義   法規制             担当:ワールドビジネス研究会 海外営業分科会

  海外展開を準備するにあたり、当該国(地域)においてビジネスを開始するための各種法規制について状況を確認する必要がある。生産であろうと販売であろうとこれらのビジネスの基礎を理解してオペレーションしないと、たとえ本業の生産、販売がうまくいっていても、規制違反等により最悪の場合、当局による社員や企業に対する刑事罰や撤退等を余儀なくされることもある。当然これらは、国によって内容の違いはあるが、中小企業にとって特に留意するべき基本事項、基礎知識等を中心に解説する。講義でカバーする範囲には日本国や仕向国における輸出入規制(安全保障貿易管理、FDA、RoHS、REACH等)及び関連留意事項や代理店保護法、知財関連法規制、PL法/PL保険、環境規制等の他、国際取引に関連して万一紛争が発生した場合の対応(仲裁、調停等)や貿易保険、認証など関連トピックスについても広く解説する。 


第6回  12月8日(日) Zoomのみ

 12:30~14:00 (90分)  事業化調査                        講師:酒向 敦

 事業化調査(FS)のポイントや進め方、情報収集の行ない方、現地調査の実際など、講師の豊富な経験をもとに解説する。

② 14:10~15:40 (90分) 会計・管理       講師:黒沢 明 

   海外に現地法人や事務所を開設する場合、経理や人事・総務といったいわゆる管理業務をどのように行うかという課題がある。現地法人や事務所の規模によっては、日本から管理系社員を派遣することもあるが、採算面や人材の制約から管理系社員の派遣が出来ないケースも多いと思われる。その場合、製造・技術系や営業系の社員が、現地採用の社員や外注先を活用しながら管理業務を管掌することになる。現地社員による経理の不正やコンプライアンス違反等は、現地法人や事務所の存続にも影響を与えかねない。この講義では講師の経験も含め、海外現地法人の管理業務の実情や各国の規制、外注先や現地パートナー企業の活用について説明を行う。

③ 15:50~17:00 (70分) ワークショップ 

 課題として出されていたビジネスモデルの分析について、発表を行っていただく。

④ 17:05~17:30 (25分) フィードバック

    質疑応答や講義の補足説明を行う。

⑤ メーリングリストにて連絡     ワークショップ事前課題    FS調査項目

  事前課題としてフィージビリティスタディにおける調査項目の留意点を提示。1/19の講義で発表していただく。


第7回  2025年1月19日(日) Zoomのみ

 12:30~14:00 (90分) 拠点設立                    担当: 山本 美紀 

    FS調査のうち製造拠点決定のため調査事項を、工業団地を中心に説明する。次に、直接投資関連の調査が終わり、経営判断としてFDI実施が決まった後の、具体的な作業をするための検討事項を説明する。

② 14:10~15:40 (90分) 会計・管理業務                             担当: 北谷 康生

 現地法人運営については、組織形態、経営管理、人事労務管理、財務管理、業務管理、本社との連携、さらに現地販売と現地生産について、考える必要がある。基本的な流れは、本国と同じであるが、独特の問題としては、異文化マネジメント、少ない経営チーム、そしてプロジェクトによって撤退を視野に入れた運営、などがある。ここでは、特に、1)経営管理、2)人事労務管理、3)現地販売、に焦点を当てる。ASEAN地区で現地生産販売法人の会社立上げから運営まで、責任者として関わった経験を元に、理論と実例を説明する。

③  15:50~17:00 (70分) ワークショップ

事前課題として出されていた、フィージビリティスタディにおける調査項目の留意点について、発表していただく。

④ 17:05~17:30 (25分) フィードバック 

   質疑応答や講義の補足説明を行う。

⑤ オンデマンド(事前録画)講義   公的機関の支援        担当:未定

  中小企業の海外展開に関する公的機関の支援メニューを解説する。 

⑥ メーリングリストにて連絡     最終プレゼンの準備

  事前課題として3/9の最終プレゼンに向けての準備項目を提示。


第8回  2月9日(日) Zoomのみ

① 12:30~14:00 (90分) 小売、飲食、サービス業の海外展開 担当:木村 篤

 日本のサービス産業は、人口減少や少子高齢化、市場の成熟化を背景に、国内市場だけではなく海外市場に活路を開いてきている、しかし、進出先国の経済発展に寄与する製造業とは異なり、現地企業と競合となりえるサービス産業には厳しい規制が存在したり、現地における市場ニーズの把握、早いスピードで変化するビジネス環境への対応力も求められる。サービス産業が海外進出する際の留意点を、具体的事例も取り上げながら解説する。

② 14:10~15:40 (90分) ワークショップ  

③ 15:50~17:00 (70分) ワークショップ

 最終回に向け、プレゼンの準備を行う

④ 17:05~17:30 (25分) フィードバック 

   質疑応答や講義の補足説明を行う。


第9回 (最終)  3月9日(日) 対面+Zoom

10:00~11:10 (70分) 現地赴任時の留意事項       担当:内藤 秀美 

 進出国に赴任する日本人派遣者が本来ならば起こさなくて済むようなトラブルを事前に回避するために必要な留意点を説明する。大事なことは、進出国と日本両国の友好とさらなる経済的な発展のために、一人ひとりがお互いを思い、行動すること。その気持ちを胸に抱いて、変化することについては絶えずフォローし、新たに生じる問題への対応する力を備えていただきたい。講義で紹介する各事例は、正に「現場の生の声」。現地にて働く者の問題や課題を指摘するのではなく、「これから現地に赴く日本人派遣者にマネジメント教育などの人材育成をする皆様方のために、専門家として事前に意識していただきたい心構え」を講義する。

②11:15~12:15 (60分)  ワークショップ発表

③13:00~14:30 (90分)  ワークショップ発表

④ 14:40~15:20(40分)  講評

 与件に基づく各グループの発表と講評を行う。

⑤ 15:30~16:30 (60分)  卒塾式